オーボエはどうして変な人が多いのか?

その質問、私も不思議に思っています。
どうして私の周りにいるオーボエ吹きはこんなにもユニークな方ばかりなのか。

オーボエという楽器の特性からすこし探ってみることに致しましょう。

ポイントは3つあります。

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1.リードへの屈折した想いが個性を生み出した可能性
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オーボエのリードは、この現代社会においてなぜここまで原始的なのか理解不能な、アナログな仕組みです。合理性は極めて低く、何より壊れやすい。私の好きな競馬に例えさせていただきますが、人工授精を認めないサラブレッド生産に通じるなにかストイックな趣きを感じさせます。

ある人はリード制作スキルを極めるため、高い工具を買い揃え、その辺の道端にでも転がっているような葦というか竹みたいな材料を専門の楽器屋や世界中の業者から購入して、ショリショリと何時間もかけて工作します。せっかくカタチができあがってもサッパリなことも多く、しかも基本1人での作業のために孤独との闘いを強いられます。
そんなリード作りを常に行わなければならない厳しい環境が今回の質問にあります「変人」と呼ばれてしまうことへの影響として考えられるのかな、と思いました。

また、完成品を買う場合の方も自作の方ほどではないにせよ、色々苦労が耐えません。
3000円くらいする完成リード、一応試奏はできるものの、次の日になったらコンディションがかわって全然思うように吹けなかったりします。
また、地方の方は試奏なしで郵送で購入する場合もありますが、まったく自分の好みではないリードが届いてしまうこともあるでしょう。

また、お気に入りのリードが手に入ったとしても、その寿命はごく僅か。虚弱体質過ぎるのです。
ベートーヴェンの第九なんぞ1曲通すだけでダメになっちゃいそうなひ弱さです。

とにかく、リードにガッカリすること、失恋することが多いのがオーボエ吹きの特徴といえるでしょう。

ネガティブ発言、自虐発言が多くなりがちなのは、リードとの軋轢が影響しているのかもしれません。

気まぐれなリードさんのことが大好きなのになかなか両想いになれない。複雑な関係です。

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2.似た音が作りにくい楽器で、個人差が見えやすいため、段々人格に影響してきた可能性
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リードの好みが千差万別なこともあり、オーボエの音色は奏者によってバラバラです。

それぞれの奏者が「ボクはワタシは誰とも違う音色にしてやる」と意気込んでいる場合はあまりなくて、たまたま誰とも似ないだけなのです。

音がどうしてもユニークになるために、後付けではあるものの「ボクはワタシは…」と自我を主張しないと、寂しく虚しくなってしまうため、段々と人格に影響してくるケースが多いのでは、と考えます。

そんなオーボエなのに2本でユニゾンとか譜面にあると地獄です。

モーツァルトのドンジョバンニ序曲の序奏に短調のメロディをオーボエ2本のユニゾンでやらせる箇所があります。
とある指揮者に「あんなの揃うわけがありません、どうしてモーツァルトほどの作曲家があそこをわざわざユニゾンで書いたのでしょうか?」と尋ねたらこう回答されて納得しました。
「ミステリアスな効果を狙っているんですよ、合わなくていいんです。」

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3.「あんなチャルメラw」と虐げられた苦い過去を克服する段階において何らかの影響を及ぼした可能性
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オーボエを初めて吹いた際に、温かく深い音色で滑らかに吹ける方は殆どいらっしゃらないと思います。
私の場合ですが、高校で始めて2年間相当頑張ってはみたものの、まったくのチャルメラ状態で、音は粒が揃わないし音程正しくドレミが並ばないし、ある一定レベルに辿り着くまでにかなり苦労した思い出があります。今でも全然ダメですけどね。

部活動、サークルでオーボエを始めるケースは多いと思いますが、大抵オーボエパートは少数で先輩も居なかったりします。
初心者の仲間が居ればまだ救われるのに、えてしてオーボエとかは学年1人だったりするんですわこれが。孤独感満載。

情けない音でロングトーンをしていると、
陰でヒソヒソ「あいつ全然なってないよなぁ」とか言われちゃったり。

さて、どうやったらこんな苦境を抜け出せるのでしょうか?

悔しい気持ちを隠して務めて明るく振舞って、そのうち上達とともにユニークなキャラとしてサークル内で確立されて周りと溶け込んだりする場合もあるでしょう。
また、一切のコミュニケーションを断ちひたすら練習を積み重ね、「あいつスゲー」と言われるくらいの変貌を遂げる場合もあるでしょう。

何れにしても、パート柄平穏な環境で初心者から中級者以上までの過程を踏むことが稀であることは間違いないと思われます。

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取り急ぎ私の推測でございました。

凄く長くなってしまいました。ここまで読んでいただきありがとうです!

あ、因みに私自身は本当に普通なんで。
ごめんなさい。

※2011年9月に「ザ・インタビューズ」という一瞬だけ流行った質問に答えるサイトより転載